スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

特集 「砥石番手と刃先の違い検証」

本日、相当マニアックな話題で特集にします。
先日購入した自称日本一の包丁「子の日 池田美和作 白一水本焼き」を研ぐにあたり、砥石によってどれほど刃先の状態が違うのかを細かく検証したいと思います。
というのも、先日寿司屋の親方がうちに遊びに来て、その包丁を手にとって爪の上で刃先を走らせ、それが引っかかることなく滑ったので、
「こりゃあ、まだ切れない包丁だよ。」
という評価になってしまったからです。その包丁は12000番までのかなり鋭い刃にしていたので、僕としてもその評価には驚いたのですが、実際にフグを切ってからは親方の評価は抜群に上がった、という経緯でした。

さて、実際に番手ごとではその刃先はどうなっているのでしょうかね?
通常#1000というのは家庭においてこれだけでOK、とされている中仕上げ砥石ですが、柳刃などではかなり荒いものであるとの評価の番手です。
まずはシャプトン「刃の黒幕 #1000」で研いでみましょう。どんな感じになるでしょう。
IMGP0789.jpg
この刃の黒幕シリーズですが、砥石界では最近実に評価が上がっている砥石で、これを知らなければ砥石が分かっていないと言われるほど素晴らしい出来の砥石です。
実際この砥石で包丁を研ぐと、
ジャッジャッ
と気持ち良い研ぎ味です。確実に表面を削って刃を仕上げている感覚が他の砥石に比べて全然違います。

下の写真が#1000での研ぎあがりです。
表面は細かい傷が多く、上の蛍光灯も刃面に映りこんでいません。
IMGP0790.jpg

少しアップにしてみると表面状態が細かな傷に覆われていることが分かります。
しかし、刃を親指の爪に当てて滑らしてみると、これがもう完全に引っかかってすごく研げていることが分かります。爪に噛み付くような恐ろしい刃が付いているのです。
IMGP0793.jpg

さて、この刃先はどんな風になっているのでしょう?
拡大して観察するために、このハンディルーペ(x16)を使います。
16倍とはいえ、なかなか馬鹿に出来ない代物ですよ。
IMGP0815.jpg

さて、拡大してみると・・・・
おお!!
刃先がノコギリのように鋭く尖った刃に覆われているのが確認できます。
すごい!
これは爪に食い込むわ~!
ただし、これで刺身を切ると、細胞をグチャグチャに分断して、あまり美味しいと感じない刺身になってしまうことでしょう。
まず、刺身包丁の研ぎで#1000で終わらせることは良くない、というのがこれで分かると思います。
IMGP0797.jpg


さて次。
仕上げ砥石、と言われているものに移ります。
ここでの仕上げ砥石は評判の高いシャプトン「刃の黒幕 #5000」ではなく、キング砥石#6000番です。これは昔、プロの勧めで購入したもので、悪くは無いけど本焼きのように硬い包丁では上滑りを起こしてしまう砥石です。そこで、ある筋から入手した「三河白名倉」という天然砥石で表面をこすり、そのまったりとした研ぎ汁を充分に行き渡らせてから研ぎに入りました。

IMGP0798.jpg

さて、その表面は仕上げ研ぎとはいえ、まだまだ霞んでいます。これは天然砥石を使っている影響が大きいと思います。以前までは天然砥石でこすることをしていなかったですが、その際はもっと鏡面状態に近かったと思いますので。

IMGP0801.jpg

刃面には蛍光灯もまだくっきりと映っていませんね。ただ、その表面の傷はかなり細かく上品なものになってきたようです。
IMGP0802.jpg

さて、その刃先の拡大写真は、というと、
#1000であったノコギリ刃のようなギザギザはかなり少なくなり、刃先がゆるやかな波形状に変わっています。
爪の上に刃先を走らせると、これも
グググッと爪に食い込んできます。
こりゃあ切れるな、というすごい期待感が出てきます。
しかも、#1000にあったような刺身の細胞を壊してしまうような荒い刃がほとんどないですね。
ということで、普通ならばこの#5000~#8000程度で研ぎは充分仕上げ研ぎ、終了!ということで良いのだと思います。
実際、プロはここまでしかやっていない人が多いのではないでしょうか?
IMGP0799.jpg

さて、ここからはいわゆるマニアックな世界に入ってきます。
シャプトン「刃の黒幕 #12000」です。
ここからは何が期待できるかというと、まずは切り刃の鏡面化です。鏡面にしてどうすんだ?と思う人も多いと思いますが、刃物が鏡面でギラリと光るあの快感は、刃物フェチならば誰もが虜になるところです。美しくて、夜何度も眺めてしまうのは、他人から見ればただの変態でしょうな・・・・・
また、鏡面にすることにより、格段に錆びにくくなります。なにせ、ハガネの大敵はとにかくサビですからで。刃物にとってはサビは癌のようなもので、一度かかるとどんどん進行してしまうので、早期治療と予防が大事です。
最後に、やはり身震いするような切れ味です。#12000ぐらいまで研ぐと、その刃先は素晴らしく尖り、刺身の上を滑りながら分断するその快感は、それだけの手間をかけただけのえも言えぬものなのです。

さて、この#12000も白名倉の天然砥石をかけて、まったりとした砥汁を出して使います。
IMGP0803.jpg

研ぎあがりですが、ついに鏡面が出てきました。天井の蛍光灯がくっきりと映るのですが、天然砥石のお陰で、単調な鏡面ではなく何層も重なる深い霞がその切り刃の美しさを味わい深いものにしています。
IMGP0805.jpg

うーん・・・・
天然砥石で研いだ鏡面の素晴らしさを写真で表すのは難しいですね。
実際に見ると、ため息が出るほどのものです。
IMGP0806.jpg

いよいよ、ルーペで刃先を拡大観察してみましょう。
ついにノコギリ刃はほぼ無くなりました。
よく見ると、ノコギリ刃の代わりに、より小さくうねる波形状が刃先に現れています。これがすごい切れ味の秘密のようです。
ただし!! 爪の上で刃を走らせると、引っかかりがほとんどなくなり、ツーーッと滑るような感じが大きくなってしまうのです。刺身を切る時も上を滑りながらスパーーッと切れる感触が強くなります。
はっきり言って、この辺の切れ味は好みが別れるのではないかと思います。
特に、この包丁のような白一水本焼きという切れ味の特徴は噛み付くような鋭い切れ味、となっていますので、そのような印象は#12000までかけてしまうとやや薄れてしまうのではないでしょうか?
しかし、どのぐらいこの刃が切れるかというと、指紋の凸の部分をスライス出来るほどです。まあたいしたもんです。
IMGP0808.jpg

ちょっと番外編。
上記の天然砥石+#12000で研いだ刃を、天然砥石の砥汁を洗い流した#12000で研ぐとどうなるでしょう?
すると、天然砥石であった何層もの深い霞は薄くなり、より鏡面の切り刃が顔を現します。
これも、好みが分かれるでしょうね。
僕は・・・・
やや鏡面が強い方が、好き、かなあ・・・・
IMGP0810.jpg

刃先のルーペ観察ですが、これは天然砥石+#12000の結果とそれほど大きな違いはなさそうだし、爪の上を走らせた感じもあまり大きな差を感じませんでした。
ただし、これは天然砥石で一度#12000の表面を改質した後のものなので、その差はあまり無かったのでしょう。
今度、天然砥石を全く使わない#12000での結果と比較してみたいと思います。
IMGP0811.jpg


更に番外編。
今回、#1000という荒い研ぎからやり直してみたんだけど、なんとこれまででは考えられない波紋が現れてきました。研ぎむらでこんなになってるんじゃないですよ(多分)。
何・・・これ?
劇的な模様で、これが切り刃全面に出ると実に芸術的なものになりそうなんだけど・・・・
ええと・・・・もしかして、池田美和さん、白一水本焼きってことで、特別に何か仕込んでくれたのかなあ・・・・
なんつって淡い期待。
IMGP0814.jpg

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

黒野修資

Author:黒野修資
黒野修資です。
ファミリーファイナンス リテラシーを向上させ、定年までに最低5000万円は貯めていきましょう!
出版に関するブログをはじめ、様々なエッセイを掲載しています。
ツイッター
→http://twitter.com
/kurono_shushi


最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
最新トラックバック
検索フォーム
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
a:link { color : #f00; /*