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村上春樹 新刊! 読了!

あまりテレビを見ない僕が先日ニュースを見ると、村上春樹が新刊を出版するという馬鹿騒ぎの映像が映されていた。
真夜中に並んでまで買う熱狂的なファンをみた村上に興味のない人たちは、そのミーハーさに気持ち悪さを感じたことだろう。
僕も感じた。

何を隠そう、僕は村上のファンだ。あ、知ってた?
ああいうニュースを見た後だとこの事実を公言するのは実に恥ずかしいのだが、そこらへんのミーハーなのと一緒にしてもらっては困る。
僕が高校2年生の時、村上の処女作 「風の歌を聴け」を読んでその鮮烈な文体に実に感動してからの追っかけ歴30年。
1Q84を読んでファンになったような連中とは違うのである。

さて、例の新刊だけど、面白くて2日で読み終わっちゃいました。
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」


ここでちょっと感想を書きますが、まだ読んでいない人も多いと思うので内容については基本的に触れません。
だから、この記事は適当に読んでも大丈夫です。

村上はインタビューで以下のように語ったらしい。

「ある日ふと思い立って、机に向かってこの小説の最初の数行を書き、どんな展開があるのか、どんな人物が出てくるのか、どれほどの長さになるのか、何も分からないまま、半年ばかりこの物語を書き続けました。
最初のうち僕に理解できていたのは、多崎つくるという一人の青年の目に映る限定された世界の光景だけでした。
でもその光景が日々少しずつ変貌し、深く広くなっていくのを見るのは、僕にとってとても興味深いことだったし、ある意味では心を魚かされることでもありました。」

この記事のように、物語はよたよたと始まる。混沌としたキャラクターを持つ主人公が少しずつその周囲の風景を克明に浮かび上がらせ、そして徐々に物語に厚みを加えていく。
そして、読み手はそのページをめくる手をとめることができなくなっていくのである。

この物語は、今までの村上の物語のように不可思議な部分はほとんどなく、ほぼ全て我々にも共通する身の丈の出来事で終始する。
これまでのように、宗教の教祖や殺し屋や化け物や強大な国家権力は出てこない。
夢と現実のハザマってのはあったかな。

でも、読者の身の丈に合うような物語だからこそ、僕がこれまでに経験してきたことがオーバーラップしてきて、
そして僕がこれまで喪失してきた多くの大事な人や物事に思い至り愕然としたのである。
何度ページをめくる手が止まっただろう。
若いころ人生について何も分からず、様々な初めて経験する物事についてうまく対処できずに喪失してしまったものをありありと思い出してしまうのだ。
そして幸運にも(?)唯一、喪失しなかった彼女についても深く思いをはせることにもなってしまった。

この物語はアクションなどのドラマチックな展開を期待すると面白くないと感じるかもしれないけど、僕は実に楽しめた。
村上が、この歳になって到達したひとつの世界であることに深く感銘できるのである。


ところで、多崎つくるは5人の中で唯一色彩を持たないということでしたが、実はちゃんと色彩を持っているじゃないですか。
名前に( )色が入ってますよね。

と、色彩に関しては、この細野透さんが書かれているレビューに詳しく書かれています。
いやあ、実に素晴らしい見解。発売後あっというまにこんな秀逸な謎解きまでしちゃう人もいるんですねえ。
みなさん、読了後にでもこの人のレビューを読んでみて下さい。
実に勉強になりました。


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黒野修資

Author:黒野修資
黒野修資です。
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